日本酒と同様に日本伝統の酒である焼酎は、様々な飲み方で楽しまれているところです。
お湯割りや水割りはもとより、グレープフルーツやレモンなどの果汁を加えたいわゆる酎ハイは、性別や年齢を問わず幅広く人気となっているところです。
さて、そんな焼酎には製法により甲類と乙類があることが知られています。
甲乙とありますが、どちらが優れているということはなく、単純に製法が異なるため呼び名が区別されているのです。
甲類は、近代になりより効率的な蒸留方法である連続蒸留が登場したことにより誕生しました。
原料を問わず醸造したアルコールを高純度で精製することが可能なこの蒸留方式により、無味無臭の焼酎ができあがるのです。
個性を持たない甲類は、果汁の味わいなどを引き立てやすく、酎ハイにはうってつけなのです。
なお、昔ながらの蒸留方法で精製される乙類は、原料の味わいを色濃く残すため、お湯割りや水割り、ロックで楽しむのに最適といえるのです。
焼酎がブームになって何年も立ちます。
麦、芋、米、ゴマ、シソ、かぼちゃなどなど、様々な素材を活用して作られたこれらのお酒を「焼酎」とひとくくりにしてしまうのも乱暴と思われるほど、そのバリエーションは豊富です。
中にはあまり数が出回らずに高い値段がついているプレミアムなものも存在しています。
こういったものの多くは「乙類」という規格に分類されるもので、蒸留を一回だけ行う方法のため、素材の持つ香りや味が多く残ります。
当然、お酒としての味わいも深く、銘柄ごとの違いが際立つ旧来からの製法です。
これに対して「甲類」という規格に分類される焼酎があります。
これは、連続蒸留と言って、何度か蒸留を繰り返してアルコールの度数を上げたものを、水で薄めて度数調整したものです。
「甲類は香りも味わいも薄い」などという人もいるようですが、このクセのなさこそが甲類の良いところです。
好きなジュースや、リキュールと混ぜたり、生の果物や炭酸と一緒においしくのめるのがこのお酒の特徴です。
Last update:2018/12/13